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食事について

「食事」は愛犬が健康に生活を送る上で最も重要なものです。
自分で食べるものを選べない愛犬の健康は、私達が与える食事に左右されます。

 

わんちゃんは雑食で様々な食べ物を消化することができますが、基本は肉食です。人とは栄養学的に異なるため、わんちゃんに必要な栄養の組成を満たす食事を与える必要があります。また、私達と同じように成長段階に応じて、食事量や栄養組成も調節が必要です。

 

仔犬の時には、成長に重要な栄養素を不足なく摂取し、十分なカロリーを必要とします。一方で、過剰なカロリーは骨疾患や肥満を招き、悪影響を及ぼします。成犬では、生活環境や運動量に応じて食事の量を考え、高齢犬では、摂取カロリーを抑え、体の機能低下に配慮した食事を用意してあげるのがよいでしょう。また、体質によっても食事を考える必要があります。胃腸の弱い愛犬には消化によいものやアレルゲンの少ないものを与えたり、太りやすい愛犬にはカロリーが低いものや、脂肪分の少ないものを与えてあげるのがよいでしょう。
誤った食生活は疾病を招く危険がありますが、適切な食生活を送れば、愛犬はより長く元気に過ごせるでしょう。バランスの良い食事を適切に与えてあげましょう。
しかし、実際に理想的な食事を用意することはなかなか大変であるため、総合栄養食として作られているドッグフードを利用するのが一般的です。家庭犬は単一のドッグフードを食べることが多いため、できるだけ品質の高いものを選んであげることが、長期的な健康ために推奨されます。

 

主食には『総合栄養食』を!! そして、成分表示がしっかりされたものを選んでください。

  • ペットフードは使用目的により『総合栄養食』、『間食』、『その他の目的食』に分類されます。『総合栄養食』とは、新鮮なお水とそのフードだけで健康維持に必要な栄養素を過不足なく摂取できる栄養的にバランスの取れた主食となるフードの事です。そして、裏を見て成分表示がしっかり書いてあるものを選んで下さい。何が入っているのか分からないものは選ばないようにしましょう。
  • おやつは基本的には必要ありません。もし、おやつをあげたいのであればカロリーで計算し、フードの一割以下にして下さい。フードでしっかりと必要カロリーをとっているのにおやつをあげてしまうと肥満になってしまいます。肥満は万病の元です。しっかりと基定量をあげましょう。

ライフステージに合わせた食事を選んでください。

  • 人間でも育ち盛りの子供とお年寄りでは、必要とするカロリーや栄養素も当然違ってきます。成長期には丈夫な体格や骨格を作るために、たんぱく質やミネラルを多めに必要とし、また高齢期になれば、健康で長生きするために、腎臓や心臓に負担をかけないように、蛋白質や塩分も控え目にしたほうがいいわけです。総合栄養食には適応となる成長段階が記載されているので必ず守ってあげるようにしましょう。
  • 当院では、家庭犬のライフステージ(仔犬・成犬・中高齢犬)、体質や疾病予防(肥満、避妊・去勢後、敏感な皮膚、胃腸が弱い、尿路疾患)を考えて獣医師が開発した、高品質で嗜好性の高いドッグフードを常用食として推奨しております。

◇病気の犬の食事

愛犬が病気になった場合、それぞれの疾病に合った食事が要求されます。
病院で処方する療法食は、獣医師により作られた特別な食事です。研究に基づき、疾患を悪化させる要因を軽減し、疾患の改善を助ける栄養素が配合されています。最近の療法食は、嗜好性に対してもよく改良されています。疾病によっては、病気の進行程度に合わせて細かく食事管理をすることができます。
食事管理は、治療の一貫でもあります。適切な食事を与えていただくことが、疾病の改善、進行の防止、病状の安定や寿命の延長に繋がります。

 

◇犬にあたえてはいけないもの

私達が日常的に食べているものでも愛犬にとっては致命的となる食べ物があります。
また、私達の生活環境の中には危険となるものが沢山存在します。突然、愛犬が予期せぬものを口にしてしまうケースは多いものです。避けることができる危険は知っておきましょう。ここでは一部をご紹介します。

 

食べ物 ネギ類・チョコレート・アボガド・ナッツ類・ぶどう・鳥の骨・トウモロコシの芯・果実の種 など
危険なもの 間薬(特に糖衣錠)、洗浄剤、紐、保冷剤や不凍液(エチレングリコール)、殺虫剤や除草剤 など