予防できる病気は必ず予防を行うことが長生きの秘訣であり、大切なことです。
自分のペットが利用するホテルや入院室の隣の個室に、混合ワクチンや狂犬病予防注射、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防をしていない子がいたら嫌ですよね。
ペットと生活する上での必要最低限なマナーを向上させるためにも防げるものはきちんと防ぎましょう。
また予防をキチンとしている大切なわが子は長生きをします。
高齢で多発する病気の代表格である子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア、精巣腫瘍などは避妊手術や去勢手術をすることで高い確率で予防することが可能です。
手術は一見可哀そうな気がしますが、将来的にみると非常に有効なことです。
最後に2012年以降ダニによって感染するウイルスが発見され、人での死亡例が相次いで報告されています。ウイルスを媒介するのはわんちゃんに噛みつくダニと同じです。現時点で有効な治療法はないので毎月ノミダニ駆除予防をするようにしましょう。
ワクチン
まずお考えいただきたいことが『混合ワクチン』の接種です。
ワクチン接種は感染力が強く恐ろしい病気からわんちゃんやネコちゃんを守るために行うものです。そしてそういった恐ろしい病気は治療が難しく、予防がとても大切になってきます。
混合ワクチンは伝染病に対して抵抗力をつけるため、年1回行う注射です。予防できる病気の数により5〜9種混合ワクチンがあります(どれを選べばよいかは獣医師におたずねください)。
特に子犬さんにはしっかり免疫をつけるため、当院では生後2,3,4ヶ月目の3回接種をおすすめしています。以後1年に1回の追加接種が必要となります。
狂犬病予防注射
狂犬病は、未だに世界中に毎年約50,000人もの死者を出している非常に怖い病気です。
現在の日本にはない病気ですが、日本のように狂犬病がない国は全世界でもかなり少数で、イギリス、オーストラリアなどの一部の国のみです。
避妊・去勢手術をするかしないかは、多くの飼い主さんが一度は考え悩むテーマではないでしょうか。
自然に備わったものを手術するなんてかわいそう・・・と感じるのは当然のことです。
しかし、大切に育てられたわんちゃんや猫ちゃんは中高齢になると生殖器関連の病気に悩まされることが多いのも事実です。その時期にはほかに心臓病なども併発していることもあり、手術が困難であったりして危険性が高くなるのです。そのため若い時期での手術が推奨されているのです。
わんちゃんやネコちゃんの毛の間に黒っぽい小さな粒を見つけた・・・
お気を付け下さい。それは動物の体に寄生しているノミの糞かもしれません。そして意外と知られていないのですが、ノミやダニの害は痒みだけではないのです。痒み以外にもノミやダニによってたくさんの病気が媒介されます。
心臓に寄生する「そうめん」に似たフィラリアという寄生虫を予防します。フィラリア症とは蚊に刺されることによってうつる怖い病気で、血液の循環が悪くなり、心臓・肝臓・腎臓・肺など多くの臓器が障害される病気です。ほうっておくとお腹に水が溜まったり、心臓がうまく動かなくなり、死に至ります。
予防薬の種類も、粉薬・錠剤・おやつのようなクッキータイプ・皮膚につける液体タイプなどさまざまな種類がありますので、その子にあったものを獣医師とご相談ください。
近年、多くの飼い主の方が病気に対する詳しい説明を希望され、最大最良の治療を選択されます。日々のケアでも出来ることは何でもしてあげたいので教えてくださいという方も増えています。また、普段の診察を通して多くの飼い主の方が口にされるのが「この病気、もう少し早く気付くことが出来たのでしょうか?」という言葉です。どうぶつたちは言葉が話せないために自分で症状を伝えられません。
それでは早期に病気を発見するためには何が必要なのでしょうか?
「食事」は愛犬が健康に生活を送る上で最も重要なものです。
自分で食べるものを選べない愛犬の健康は、私達が与える食事に左右されます。
わんちゃんは雑食で様々な食べ物を消化することができますが、基本は肉食です。人とは栄養学的に異なるため、わんちゃんに必要な栄養の組成を満たす食事を与える必要があります。また、私達と同じように成長段階に応じて、食事量や栄養組成も調節が必要です。
仔犬の時には、成長に重要な栄養素を不足なく摂取し、十分なカロリーを必要とします。一方で、過剰なカロリーは骨疾患や肥満を招き、悪影響を及ぼします。成犬では、生活環境や運動量に応じて食事の量を考え、高齢犬では、摂取カロリーを抑え、体の機能低下に配慮した食事を用意してあげるのがよいでしょう。また、体質によっても食事を考える必要があります。胃腸の弱い愛犬には消化によいものやアレルゲンの少ないものを与えたり、太りやすい愛犬にはカロリーが低いものや、脂肪分の少ないものを与えてあげるのがよいでしょう。
老犬と暮らしていくためには色々注意しなければいけないことがあります。
まずは老犬がかかりやすい病気もあるため定期的な健康診断、病気の知識、老後の上手な過ごし方を知っておくことが大切です。また、動物の状態や家庭環境などを考えながら、その子にあったケアや介護をしてあげられるよう心がけましょう。老後を上手に暮らすための知識をいくつかご紹介させていただきます。
動物の歯のことご存知でしょうか?
病院に来院する3歳以上のわんちゃん猫ちゃんの75%以上が歯周病にかかっていると言われています。
問題は口臭がするだけではなく、歯垢内の細菌は口の中から全身に流れ、心臓病、腎臓病を引き起こすことが知られています。