心臓に寄生する「そうめん」に似たフィラリアという寄生虫を予防します。フィラリア症とは蚊に刺されることによってうつる怖い病気で、血液の循環が悪くなり、心臓・肝臓・腎臓・肺など多くの臓器が障害される病気です。ほうっておくとお腹に水が溜まったり、心臓がうまく動かなくなり、死に至ります。
いったんこの病気にかかってしまうと治療は大変ですので、予防をしっかりしてあげましょう。予防は蚊がいる期間、4月〜12月(その年の暖かさなどにより若干異なることがあります)の間、1ヶ月に1回お薬を飲ませていただきます。毎年フィラリアの予防を始める前(3月〜4月)に血液検査でフィラリアに感染していないかチェックする必要があります。予防薬の飲ませ忘れや知らぬ間に薬を吐き出していたりなどで、フィラリアに感染してしまうことがあります。感染している状態で予防薬を飲ませると、ショックを起こしてしまうことがあるため、必ずチェックが必要です。
予防薬の種類も、粉薬・錠剤・おやつのようなクッキータイプ・皮膚につける液体タイプなどさまざまな種類がありますので、その子にあったものを獣医師とご相談ください。
わんちゃんではよく知られているフィラリア症。
実は猫ちゃんにも感染することをご存知ですか?
猫ちゃんのフィラリア症は、わんちゃんより重篤な症状や、突然死を招くこともある恐ろしい病気です。今までネコちゃんのフィラリア症に対してあまり関心が向けられていませんでした。ネコちゃんは蚊に吸血される機会が少ないという思い込みや、ネコちゃんでは肺や心臓でフィラリアが成虫まで発育せず、わんちゃんのような病気になることがほとんどないという考えが影響しているのかもしれません。
またネコちゃんのフィラリア症は、ほかの病気の症状と似ていたり、確定診断が難しいため、見逃されているケースが多いと考えられています。フィラリア症は飼い主さんがきちんと予防すれば確実に防げる病気ですので、大切な愛猫を守るために正しい知識を学んでいきましょう。
ネコちゃんにフィラリアが感染するとわんちゃん同様に心臓や肺動脈に寄生したフィラリア成虫が心臓病を引き起こすだけでなく、ネコちゃんの場合フィラリア成虫だけでなく、血管内で死滅した幼虫が呼吸器に悪影響をもたらすことがあります。症状としては発症すると呼吸困難や咳、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状がみられます。悪化するとまれに突然死を招きます。
予防としては、毎月一回予防薬を投与するのが安全で確実な方法です。フィラリア幼虫が猫の血管内に侵入するのを防ぎます。内服薬を飲ませにくい子には、背中に垂らすスポットタイプの予防薬もあります。