わんちゃんやネコちゃんの毛の間に黒っぽい小さな粒を見つけた・・・
お気を付け下さい。それは動物の体に寄生しているノミの糞かもしれません。
そして意外と知られていないのですが、ノミやダニの害は痒みだけではないのです。
痒み以外にもノミやダニによってたくさんの病気が媒介されます。
2012年暮れにダニに咬まれてウイルスに感染し、山口県の女性1人、2013年になって宮崎県、愛媛県の男性2人が亡くなりました。この病気は重症熱性血小板減少症候群と言ってSFTSウイルスによるダニ媒介性感染症です。それ以降相次いで国内での死亡例が報告されており、現在のところ有効な抗ウイルス薬はなく、対症療法が主体となり人の致死率は12%とされています。ウイルスを媒介するのは、わんちゃんや猫ちゃんに咬みつくダニと同じですので注意してください。
またわんちゃん・ねこちゃんはノミに刺されることによって皮膚に激しいかゆみを引き起こすだけでなく、アレルギーや皮膚病になったり、お腹に寄生虫がわいたりします。マダニに咬まれることより貧血を引き起こし、死に至ることもあるバベシア症に感染することがあります。
媒介される病気を予防するためにも、月に1度、ノミやダニの予防をしましょう。
ノミやダニは1年中活動していますので年中予防するのが理想的です。
当院では、皮膚につけるタイプや、飲ませるタイプなどさまざまなタイプのノミダニ予防薬を扱っております。その子の状態によってもどのような予防薬がいいかは変わってきますので、獣医師にご相談ください。
ペットに寄生したノミの成虫はその体の上で卵を産みます。
卵は体から落下してノミが寄生しているペットの通る場所であればどこにでも落ちている可能性があります。
ノミの駆除はまず、ペットにはノミ・ダニ駆虫薬を定期的に投与しましょう。
市販の薬品は、シャンプーや雨に濡れると効果がなくなることがありますので、動物病院で処方された薬品を使用しましょう。
お部屋にはバルサンが効果的です。しかし、ノミ成虫にしか効果がありません!!
数回バルサンを焚いて、その後掃除機で念入りに掃除しましょう。
日光暴露による卵および幼虫の致死率は極めて高いので、衣類は洗濯し、洗濯できない布団やクッションは数日ごとに直射日光で日干しするとより効果的です。
犬や猫に成虫のノミが5匹ついていたらその周囲の環境には、なんと95匹の未成熟期のノミが潜んでいます。
ほんの数匹のノミでも、ふ化を繰り返しながらどんどん繁殖し、いつのまにかノミだらけという事態になる恐れもあります。
ノミがからだにつくとどんな悪いことがあるのでしょう?
ペットはもちろん人からも吸血して痒みを引き起こすほか、いろいろな感染症を伝播します。
ノミの痒みは一種のアレルギー反応ですので、刺されてもあまり痒くならない人がいる反面、水ぶくれになる人もいます。
「1回ノミを駆除してしまえば、もう安心!!」と、思っていませんか?
ペットにノミがいなくなってもまだ卵や幼虫が潜んでいることもノミを駆除したあとも、ペットの生活環境に卵や幼虫などといった未成熟期のノミが潜んでいる場合があります。
また、散歩時に新たなノミに寄生されてしまう場合もあります。
だからたとえノミがいなくなったとしても、継続して予防しつづけることが大切なのです。
下記のチェックシートをぜひお試しください。
外で遊ぶことが多い
季節の変わり目でもないのに、やたらと毛が抜ける
皮膚に湿疹ができている
首やお腹に黒っぽい小さい粒のようなものがついている
カラダをかきむしったり、噛んだりしている