皮膚科専門診療

当院は皮膚科診療に力を入れています。

月1回の皮膚科担当医(荒井延明先生)による皮膚専門診療を受診できます。

難治性の皮膚病についてご相談ください。

 

※完全予約制で、ワンちゃんネコちゃんの皮膚科専門診療日を設けています。

必ずお電話でご予約をお願い致します。

 

1度診察させて頂いたうえでのご予約となりますので、診察ご希望の方はご来院のうえ獣医師にご相談ください。正確な診療のためにご理解とご協力をお願い致します。

 

皮膚科担当医  荒井 延明

 

月に1度、完全予約制にて皮膚専科の荒井先生による診療を行っています。

「痒がっているからアレルギー?、アレルギーは治ることがない病気?」とあきらめてはいませんか?

犬アトピー性皮膚炎の研究で博士号を取得した獣医師が皮膚専科診療を担当してわかった事。

もしかすると、その子は皮膚のバリアが低下しているだけかもしれません…

今回は皮膚バリア低下につながる、いくつかの原因についてまとめました!

 

皮膚バリア低下

原因その1:セラミド不足

アトピー性皮膚炎と診断された子はこのセラミドが不足して、表皮から水分が逃げてしまい乾燥肌となりやすく、表皮の隙間から、アレルギー物質や病原体が入りこみやすくなっている事がわかっています。

アトピー体質を持っていない子でも、シャンプーのし過ぎや、間違ったシャンプーの仕方などで、このセラミドを失ってしまい皮膚のバリアの低下が起こります。

 

原因その2:コラーゲン不足

なんらかの原因でコラーゲンが分解されたり、作られなくなったりすると、表皮にも栄養が届かなくなり、皮膚が薄く、もろくはがれやすくなります。

トイプードルやロングコートの小型犬は特にコラーゲンのトラブルが起こりやすいようです。

ヒューマングレードの品質の良いフードを食べていても、犬種によって必要な量が異なるようで、コラーゲン不足は起こります。

真皮のコラーゲン不足を解消して皮膚のバリアを高めるためには、吸収されやすい超低分子のコラーゲンのサプリメントを補う必要があります。

 

原因その3:皮脂の酸化

皮脂は本来ならば、毛根の隙間を埋めたり、皮膚の表面から水分が蒸発するのを防ぎ保湿の役割をしたり、過剰な菌の増殖を防いだり、皮膚バリアを高める働きをしています。

皮脂の分泌が多すぎたり、皮脂の酸化が進行すると皮膚のバリアは逆に低下してしまいます。

皮脂を餌にして増殖するマラセチアという酵母様真菌が増え過ぎたり、酸化した油脂が過酸化脂質と呼ばれる化学物質に変化したりして、皮膚に炎症と痒みをもたらしてしまうからです。

こうした現象は皮脂線が多く分布する、背中側に多く見られます。また、脂肪の代謝が落ちてくる中高齢の動物に見られる傾向があります。

 

簡単な皮膚の検査で、皮脂の状態やマラセチアの過剰増殖を調べることができます。

 

日頃から酸化した動物の油を含む食事やおやつをあげない様に注意を払うことも大切です。

血液検査で脂質の代謝状態を調べる事もできるので、定期的な検診を受けておくこともお勧めします。

 

荒井先生の略歴

1985年 帯広畜産大学 獣医学科卒業 家畜解剖学教室に所属
1987年 北海道大学大学院形態機能学専攻 修士課程修了 獣医学修士 獣医師
1987年〜1996年 都内・北海道にて動物病院勤務
1996年〜2004年 ペットフードのアイムス・ジャパン(株) にて犬と猫の栄養学に関する専任獣医師として勤務。
2004年〜2019年 犬猫の血清検査サービスを実施するラボ会社:スペクトラム ラボ ジャパン(株) に勤務。テクニカル・ディレクターに就任 サーベイを中心に研究活動を行った。

現在は AIN’S動物診療サポートを立ち上げ、動物皮膚科のホームドクターとして複数の動物病院への出張予約診療、 契約先動物病院の診療サポート業務に従事している。

 

 

動物のアレルギー治療についてもっと知ってみませんか?私たちがお手伝いします!

https://www.facebook.com/Araiains/

https://vetcad.wixsite.com/vetallergist/about

 

荒井先生の著書

【論文】

  • 「犬のアトピー性皮膚炎の発症年齢と臨床症状 」獣医疫学雑誌 第 16 巻 第 2 号 pp126-134 (2012 年 12 月 査読後掲載) (荒井延明・薄井志保・纐纈雄三)
  • 「薬物スコアを用いた犬のアトピー性皮膚炎に対する減感作療法の評価」動物臨床医学 Vol.22No.2pp53-60 (2013年6月 査読後掲載) (荒井延明・中丸大輔・原 康・多川政弘)
  • など

【著書】

  • 「伴侶動物治療指針 Vol.1-犬のアトピー性皮膚炎の治療の章」(チクサン出版社)
  • 「伴侶動物治療指針 Vol.2-脂質代謝解析結果の治療への応用 の章」(緑書房)
  • 「伴侶動物治療指針 Vol.3-フィルムへのアプローチ の章」(緑書房)
  • 「伴侶動物治療指針 Vol.5-舌下免疫療法 CADの新しい治療OP の章」(緑書房)
  • 「伴侶動物治療指針 Vol.6-歯周病原細菌の悪性度 の章」(緑書房)
  • 「伴侶動物治療指針 Vol.7-ICADA2015 の解釈と国内での適用 の章」(緑書房)
  • 「改訂新版 ネコの病気百科-栄養と病気の章」(誠文堂新光社)
  • 「2005年 第8号 No.194-アトピー性皮膚炎の治療に減感作療法を取り入れる」(チクサン出版社)
  • 「愛犬の友 2005年10月号-やっかいなアレルギー克服術」(誠文堂新光社)
  • 「NOTE 2006年7月号 No.012 海の向こうの減感作療法:減感作推進派獣医師がオハイオ州で見てきたもの」(インターズー社)
  • 「小動物臨床 Vol.27 No.5(2008.9)-Th1/Th2 バランスからみた犬のアトピー性皮膚炎のトータルマネージメント 動物に優しい治療をこころがける」(山水書房)
  • 「愛犬の友 2009年2月号-犬も花粉症?-アトピー性皮膚炎との関連性について」(誠文堂新光社)
  • など

【訳書】

  • 「やさしくわかる犬の皮膚病ケア TimNuttall著」 (ファームプレス社) -共訳
  • など